日本ではまだあまり馴染みがないものの、地中海にポツリと浮かぶマルタ島はヨーロッパでは非常に人気のリゾート地となっています。
シーズンになるとヨーロッパ中から観光客がこぞって集まるだけでなく、最近では語学留学の行き先としても注目されています。
そんなマルタ共和国に実際に留学した経験のある私がマルタ島のあれこれについて綴るコーナー。
今回は「マルタ共和国の言語について」をお届けいたします。
マルタで話されている言語は何語?
「マルタに留学した」というとまず返ってくるのが「何語を勉強しに?」という質問です。
英語圏に留学に行くというとやはりアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドあたりがメジャーですよね。
しかしほとんど知られていませんが、実はマルタもマルタ語と英語が公用語になっている英語圏なのです。マルタ国民同士で会話をする際にはマルタ語で話す人も多いものの、国民の9割が流暢に英語を話すことができます。
これはマルタがイギリスに占領されていた歴史的背景があり、マルタ共和国として独立してからかなりの月日が流れた現在でもマルタでは子どもの頃から英語教育に力を入れているためです。
観光地や語学学校ではもちろんのこと一般の人も全く問題なく英語を話しますが、田舎の方に行くと英語を話さない人もいます。
ちなみに1930年代まではイタリアの支配下にあり公用語もイタリアであったため、イタリア語を話せる国民も少なくありません。
このようにマルタは多くの外国に支配されてきた歴史があり、その度に公用語も変わっていることから、イタリア語、フランス語、マルタ語、英語など複数の言語が入り混じっているのです。
マルタ島の英語のレベルはどうなの?
留学先に選ぶとなると気になるのがマルタで話される英語のレベルはどうなのか?ということですよね。
マルタの人が話す英語は、基本的にはイギリス英語であるもののマルタ独特の訛りがあります。ただ、訛っていて聞き取りづらいというよりはアクセントが少し独特なくらいで、話していて聞き取れないということはあまりありません。
また、語学学校の先生は綺麗な英語を話すため、普通に勉強をする分には支障はないと言えます。
とはいえ上記で挙げたような代表的な英語圏の国に比べると、ネイティブ感が劣るのは否めません。
「英語を本気で勉強したい」「本場の発音をマスターしたい」という人よりも、「海外留学をしてみたい」「楽しみつつ学びたい」という人におすすめと言えるでしょう。
学びにくる生徒の英語レベルは?
マルタ共和国への留学は、他の留学先に比べるとヨーロッパからくる生徒の比率が高いです。私が行った時期と学校では1番多かったのがトルコ人、次に韓国人でしたが、ヨーロッパ諸国から来ている生徒もたくさんいました。
実際に留学してみて感じたのは、ヨーロッパの人々はやはりアジア人に比べて英語に耐性があるということです。
同じアルファベットを使っていたり、母国語に似たような単語があったりするため、発音をマスターすることがアジア人に比べて簡単なのです。
そのため、「この人勉強しにくる必要ある?」と思ってしまうくらいペラペラな生徒も多かったです。
さらに積極的な性格の人が多いため授業中も抵抗なく発言をするので、アジア勢は少しおされていたように感じました。
マルタに留学する場合は、レベルの高いヨーロッパの生徒に負けない気持ちが重要です。
彼らは文脈がめちゃくちゃであってもとにかく発言しますし、その自信からなんとなく伝わることも多いのです。日本人はシャイな性格の人が多いですし、実際に私もクラスメイトに「なんでしゃべらないの?」と言われて反省したことがありました。
せっかく留学するのであれば、恥を捨てて積極的に発言していくことが英語上達へのなによりの鍵となります。
おわりに
私はマルタに留学する前にオーストラリアにも留学したことがありますが、個人的には英語に関してはそこまで大きな差は感じませんでした。
イギリスでもオーストラリアでもニュージーランドでも地方によって訛りはありますし、マルタだから特別訛っているというわけではないと思いましたが、そこは個人の英語力や求めていることによって感じ方が変わってくるでしょう。
留学になにを求めるか、どんな英語をマスターしたいか、どこまでレベルを上げたいのか、などなど自分の目的によって留学先を選定することをおすすめします。